ベアシャフトチューニング
ベアシャフトチューニング
アーチェリーにおける20世紀最大の発明と問われたら、プランジャーではないかと思う。その道具は発明されるまでは存在していませんでした。センターショットは16世紀には概念があり、サイトもクリッカー、スタビライザーも19世紀には原型があり、20世紀のものはその改良版に過ぎないのに対して、プランジャーは全く新しい道具でした。
あまりにも新しかったために、その位置づけを判断できず、登場してから2年ほどはWA(FITA)から使用を禁止され、5年経っても、その使用を受け入れられないトップアーチャーがいたほどです。しかし、今日では、100%使用されていて、特にカーボンシャフトはプランジャーなしにはチューニングは困難です。
プランジャーはプロアーチャーのビクター・バーガー選手によって発明されたので、当初はバーガーボタンと呼ばれていました。ちなみに、バーガーボタンの直径(5/16)が今日のスタビライザーブッシングサイズです。
プランジャーが生まれた時、当然ハンドルには穴は空いていなかったので、バーガー氏はピボットポイントから上方5/8インチ(16mm)に5/16インチのブッシングを作って装着することにしました。当時のスタビライザーは1/4インチのネジが標準でしたが、ロッドが長く・重くなるにつれ、強度が不足し、そこで、70年代に入り、プランジャーで使用されていた5/16”サイズの太い規格が、スタビライザーにも用いられるようになります (プランジャーとスタビライザーのネジが同じメリットは特にない)。
そのプランジャーの調整方法として、バーガー選手が考案したのがベアシャフトチューニングです。調整するのはプランジャーのバネの強さとノッキングポイントで、オリジナルのやり方は2ヤード(約2m)ですが、ダクロンとアルミ矢の時代の話で、今日の性能では近すぎるように思えます。5mから10mで良いと思でしょう。ベアシャフト(*)と完成矢を3本ずつ射ちます。
*厳密なやり方として両方の重さを揃える方法があります。その場合には、テープなどをベアシャフトの後方に巻いて、羽根がない分の重量を補正し、完成矢と重さを揃える。
この距離を70mまで伸ばしてもチューニングしても問題はないのですが、スパインがあっていない場合には的にすらヒットしない可能性があので、近いところから始めたほうが良いでしょう。
(以降全て右射ち)ベアシャフトが完成矢の左に刺さる場合はスパインが硬い。プランジャーを柔らかくするか、それで修正できない場合には、場合によっては、スパインを柔らかく変える必要がある。
右に刺さるなら、スパインは柔らかい。プランジャーを固くするか、それで修正できない場合には、スパインを固くする変える必要がある。
また、ノック水平より上なら、ノッキングポイントが高いので、ノッキンクポイントを下げる。水平より低いなら、ノッキングポイントを上げる。10mでノッキングポイントを正しい値に設定する。
近距離でおおよそチューニングできたら、より細かい調整のために30mや70mでも行ってください。ただ、その距離で完成矢をグルーピングさせる技術がなければ意味がありません。また、長距離の場合には、ノッキングポイントの高さはベアシャフトが上に刺さったか、下に刺さったかで調整できます。完成矢より下に刺さっていれば、ノッキングポイントをわずかに下げる。逆なら上げる。ただし、風の影響がある屋外でこのチューニングを行う意味はないです。
このチューニングがいつまでも正しい結果を得られないことがあります。この場合に考えられるのは、
- 矢のクリアランスに問題がある
- レストアップ(ノックを指で挟んでしまう)している
- クリッカーのテンションが高すぎて、矢をハネている
- ノックのはまりがキツすぎる
などで、一つずつ確認していく必要があります。一人ではできない確認もあるので、ビデオ(スマホ)か友人が必要になるかもしれません。