ウォークバック・ポンドチューニング
ウォークバックチューニング
これはドイツのゲルハルト・ガブリエル選手が考案したチューニングですが、彼のチューニングマニュアル"Pfeilflug wie auf Schienen"はドイツ語で書かれているため、オリジナルの手法を私は知りません。ここでは英語に翻訳されて、紹介された時の手法を使います。そのチューニングの前にペーバーチューニングが必要だという意見ありますが、射場があるアーチャーには必要がないでしょう。弊社のようなプロショップでは距離を射てないので、限られた距離(2-5m)でチューニングしなければならず、その時には非常に有用なやり方ですが、距離を射てるなら必要がないです。ここでは触れないが、気になる人は、検索すればやり方はすぐに見つかると思います。
ウォークバックのやり方は文字通り、後ろに歩きながらチューニングするもので、シューティングラインが決まっているなら、的を後ろに下げながらのチューニングとなります。距離は5mからはじめ、30mくらいまでは必要ですが、それ以上50mまでやっても正しい結果が出るならもうそれ以上続ける意味はないでしょう。
(A)にサイトを合わせて、5mでAに当たるようにします。そこから的から離れていく。遠くなるので、当然矢はAの下に刺さりますが、その時、どういうパターンで刺さるかでチューニングをしていきます。この時、赤い線のように矢がまっすぐ並ぶならチューニングはあっているので終了です。真っ直ぐではないなら(下記すべて右射ち、左なら逆)、
と調整していく。最終的には真っ直ぐになるように調整します。真っ直ぐにならないなら、ベアシャフトチューニング同様にプランジャーとノッキングポイント以外のところに原因があると考えられます。
ポンドによるチューニング
この方法は日本のリカーブアーチャーの間ではあまり知られていません。または知られているが使われていません。理由はわかりませんが、アルミ矢の時代にはできるだけ重いポンドを使うのが常識だったからでしょうか。使わなくとも知識として紹介します。
やることはただのポンド調整です。ポンドを上げたり下げたりして、自分が一番快適なポンドで射つのです。私は42まで引けますが、36-40ポンドが一番快適です。日本のマニュアルにもあまり書かれていませんが、海外では矢のスパインを合わせるために、プランジャーだけだはなく、ポンドを調節して合わせる方法も一般的です。
多くのトップアーチャーは自分が引ける最大のポンドを引いてはいません。ポンドの選択もチューニングの一部です。コンパウンドでは60ポンドが最大ですが、弓の調整幅が広い58ポンド前後にするトップ選手が多いです。当然60ポンドが引けないわけではありません。アーチェリーはグルーピングを競っているわけで、力比べをしているわけではないのです。リカーブの場合は、自分の経験では、自分が使える、2-4ポンド軽いリムを引いている選手が多いように感じます。また、男子の場合42ポンドから46ポンドを使う人が多いです。メーカーはこのあたりのポンドでリムの開発を進めていて、最も性能が良いとされています(*)。
*メーカーは製造するすべてのポンド数で開発していません。ターゲットとなるポンド帯で開発を進めてリムを設計し、それ以外のポンドは、使用する素材の厚みを変えて、必要なポンドを出しているだけです。
実際使うかどうかはおまかせしますが、ポンドもセッティング・チューニングのひとつであり、自分の使いこなせる最大ポンドを使う必要性はどこにもありません。もちろん、シューティングマシンが射つなら、ポンドは重いほど、風の影響を受けずに済むのですが、人間が射つ以上、重さより快適さのほうが大切です。
一つの事実として、長距離においても、より軽いポンドを引いている女子の70m世界記録は2004年で351点ですが、50ポンド以上の弓を引く選手すらいる男子では347点しかなく、10年後の2014年にやっと女子の記録を更新するのです。自分にあった重さを使いましよう。
【コラム】リムのねじれ修復
上記はかつての国産アーチェリーメーカーのヤマハが告知していたリムのねじれを修復する方法です。現在の高価格帯の上位モデルでは異なる製造(接着)方法を用いているために、この方法を使用してねじれを修復することは困難ですが、エントリーモデルであれば現在でも通用する方法です。お試しください。
対処法1 : 右にねじれている場合、左回りに2-3度修正して、一日中そのままにして固定しておきます。左にねじれている場合は、右回りです。
対処法2 : ねじれの逆方向に力を加えて、リムから20〜30cm離してドライヤーで温めてください。温めは焦らず繰り返し行うように。決して急いで温めないように気をつけてください。
対処法3 : リムのコーティングが傷んでいないか確認してください。剥がれや傷がある場合には、クリアコートなどでリムに防水処理を行ってください。コーティングを修復した後に、リムをお湯(約40℃)に5分弱つけてから、逆方向にひねることを繰り返してください。
以上の方法でねじれが修復できない場合は、プロショップに相談してください。基本的に交換が必要になります。
(写真はhttp://archer-king.blogspot.comさんより)
【コラム】タブ
シューティング時にグルーピングに影響を与える道具でまだ登場していないのがタブです。タブの形状は自分のシューティングスタイルに合うものを選ぶのが良いですが、トップ選手はタブを加工することが多いので、(削るために)少し大きいサイズを選択する場合があります。
タブの表面(弦に触れる面)について、コードバンが最良の選択であることはほぼトップアーチャーの一致した意見ですが、バックスキン(手に触れる側)の素材、及び、バックスキンは1枚か2枚が良いかについては一致した意見はないです。
バックスキンの素材を色々と試すことをおすすめします。販売店が非常に限られているコードバンと違い、バックスキンに適する生地は街の手芸用品店などで容易に入手できます。
バックスキンの枚数は使用する素材の厚み、弦の太さ、弓の強さによって異なり、薄くすることは弦の感覚を鋭くし、厚みを待たせることで指を保護でき、快適に弦を引くことができます。
コードバンにメンテナンスが必要は議論が分かれるところですが、少なくとも、乾燥した環境に長時間保管は避けるべきです。経験的には週に2-3回、ケースから取り出して、練習で使用するのであれば、メンテナンスは必要ないが、長期間使わないときにはオイルなどを塗ってから、乾燥していない環境で保管をしてください。